その夫婦は、子を育てている菜月や大成と同じように、幸せそうな年の取り方をしていた。
写真を見ただけなのに、それが伝わってくる。
メイは穴が空きそうなほど、夫婦の写真を見つめていた。
菜月はメイの横顔に話しかける。
「体の関係で愛情を感じる人もいる。
でも、そういうのがなくても愛は伝えられる。
この夫婦を見て、私はそう感じたわ」
「本当に、この人達体の関係ないの?
そんなこと、どうして分かるの?」
菜月を見るメイの瞳はまっすぐで、菜月は本当のことを話さなくてはいけないと思った。
それに、メイには……娘には、ウソをつきたくない。
これまで、このことを人には話したことがない。
だが、メイにだけは話すことにした。


