「好き……。でも、キスとかそういうのはしたくない……。
私、一生結婚とか無理だよ……。
たとえ、リクが私のことを愛しているとしても……」
メイは肩を震わせ泣いていた。
その姿は、雨に濡れた捨て猫のように、とても小さい……。
菜月はメイの体をふんわりと抱きしめ、こんな話をした。
「メイの言う通り、多くの恋人同士は結婚し、子供を授かる…っていう人生を送ってるわ。
でもね、メイはメイ。
周りは周り、なのよ。
知ってる?
世の中には、体の関係を持たない夫婦もいるって」
「え……?」
メイは耳を疑った。
男女とは、必ず性を交えなければならない生き物だと、どこかで諦めていたから。


