面食らう男を無視し、リクは彼の腕をつかんで引き止めた。
「あんた、誰!?
メイに何の用があってここに来たんだ?
おばさんの彼氏か?」
「離しな。
君には関係のないことだから」
男はうっとうしそうにリクを見下ろし、捕まれた腕を乱暴に振り払う。
そして、何も言わずに出て行った。
男から漂ってきた言い知れぬ恐怖に触れ、リクの心臓はバクバク音を立てている。
“あいつは、一体なんなんだ……?”
口調は穏やかで一見優しい話し方だったが、リクと話した男の目は一切笑っていなかった。
男が出て行って、部屋は一気に静かになる。
「メイ!! 今の男、誰?
おばさんの彼氏?」
メイは熱のせいで完全に眠っており、リクの質問にも答えなかった。


