しゃぼん玉


リクは、メイの家庭環境が変わってから初めて、メイに告白をした。

「メイ……。俺、ずっと待ってるから」

「え?」


リクの髪に風が強く吹き付けているのに、リクの瞳はまっすぐメイをとらえていて……。

それを見て、メイの胸は高鳴った。

それは、

恐怖のせいなのか、

トキメキのせいなのか、

それとも高揚からくるものなのか、

彼女には分からなかった。

または、そのどれもに当てはまるのだろうか。


自分の中にうずまく、感情の流れの激しさに戸惑い、メイはうつむく。

それは、今までリクに対して感じたことのない気持ちだった。


「前も同じ事言ったから、しつこいって思われるかもしれないけど……。

メイのこと、ずっと好きだから……。


メイがミズキちゃんの弟をすごく好きだったのは知ってるけど……。


俺、いつかミズキちゃんの弟超えるから。

メイの一番の支えになりたいから。

ずっとずっと、そばにいたいから……。


待っててもいい?

メイが振り向いてくれるまで……」

「……分かんない……」

「それって、

いい意味?

悪い意味?」

「……私、あんたには世話になったと思うし、出来ればこういう関係のままでいたい。

でも、付き合うことはできない」

「やっぱり、ミズキちゃんの弟を忘れられない?

俺達は、幼なじみでしかない?」