《メイちゃんとメグルへ
メグルとメイちゃんがこの手紙を読んでるってことは、私はもうこの世にいないんだろう。
でも、泣かないで、
ばあちゃんの独り言だと思って、
ばあちゃんの笑顔を思い出しながら、これを読んでおくれ。
メグルとメイちゃんが、私とじいちゃんに隠れて何か良くないことをしているのは、気付いていたよ。
でも、二人なら、いつかそういうことを改めてまっとうに生きてくれるって信じてるよ。
何てったって、二人とも、ばあちゃんの自慢の孫なんだからね。
可愛くて可愛くて、仕方ない。
そんな孫に出会えた私は、世界一幸せなばあちゃんだよ。
ばあちゃんね、もうすぐ天に昇ることになりそうなんだけど、もう少しだけ皆と一緒にいたいんだ。
病院のベッドの上じゃなく、メグルとメイちゃん、じいちゃんと一緒に、家で過ごしたいんだ。
ばあちゃんも、二人に隠し事をさせてもらうよ。
だから、メグルとメイちゃんが私にしてる隠し事も、許す。
おあいこって事さ。
メグルとメイちゃん……二人がずっと仲良しでいてくれたら、ばあちゃんは嬉しいよ。
笑顔でいれば、
頑張っていれば、
必ずいいことがあるからね。
二人が天にやってくる時は、二人の幸せ話や苦労話をたくさん聞かせておくれよ。
それまでばあちゃん、楽しみに待ってるからね。
清》
「……」
メイの頬には涙が伝った。
メグルも潤んだ瞳で笑い、
「こんなこと書かれたら、嫌でもばあちゃんの笑顔浮かんできちゃうじゃんね!」
と、メイの頭をなでる。


