後日、大成の宣言通り養子縁組が行われ、メイは星崎家の養子となった。

名前も、穂積メイから星崎メイに変わったが、星崎家で過ごす生活はこれまでと何ら変わりない。


大成は単身赴任先のアパートに戻ったが、休みの度に星崎家に帰ってくるようになった。

菜月は、パート先の雑貨屋でミズキとメイにおそろいのハンドタオルなどを購入するようになった。


ミズキは夢を目指して大学に通う毎日。

メイは真面目に学校に行くようになって、メグルと共に、残りわずかな高校生活を過ごした。


リクも、家庭教師ナナセのおかげで成績が回復し、志望していたN大学にも無事合格できた。


ナナセはそれをキッカケに、本格的に家庭教師のバイトをすることにした。

3月を迎える頃には、一週間に5人の生徒を受け持つようになっていた。

ナナセの教え方は理解しやすいと評判で、内気だった彼も、自分に自信を持てるようになってきた。


それぞれの日常を過ごす間、ミズキとナナセはマメに会っていた。

ジムに通うために。

お互いに忙しくて、ゆっくり会う時間は取れないけれど。

夢を目指して勉強したり、人の役に立てる毎日を送ることができて幸せだと思う。


アイリはあの後、結局マサヤとヨリを戻したようだった。

アイリが離れている間、マサヤは様々なことを反省したらしい。

彼は以前と見違えるほど人が変わり、星崎家までリョウのことを謝罪しにやってきた。

それは保身から出た行動ではなく、ミズキ達に対する誠意が込められていた。


それでもミズキは、マサヤを嫌う気持ちに変わりはなかったが、マサヤがリョウのことを反省し謝ってくれたことは、素直に嬉しいと思えた。