「メイちゃん……!」
ミズキは嬉し涙を浮かべ、メイを抱きしめた。
そのぬくもりが、メイの心の孤独を包む。
大成と菜月も嬉しそうに笑った。
大成は菜月の肩を抱き、
「それじゃあ、メグルちゃんのおばあ様の葬儀が落ち着いたら、すぐにメイちゃんのお母様の元に行こう。四人で」
「これから、よろしくね」
菜月もメイに、母親の顔を向ける。
ミズキはメイを抱きしめつつ、こうなって本当に良かったと感じていた。
“メイちゃんを傷つける者から、
メイちゃんのお母さんから、
メイちゃんを守ってみせる……。
リョウの心残りを晴らしてみせる……!
メグルちゃんのおばあちゃんの想いを、絶対に無駄にはしない。
メイちゃんを、幸せにしてみせる……!”
以前に比べ、メイは、ミズキの言葉や態度を素直に受け入れられるようになっていた。
そんな風に考え方を変えることが出来たのは、清が最期にくれた言葉のおかげ。
メイがずっと言われたかった、長年求めていた言葉……愛してる。
そう言ってもらえたから、自分にも生きる価値があるのだと信じることができた。
どこに行っても嫌われ者だった自分にも、見てくれる人がいるのだと気付けた。
荒くれ者で万引き常習犯で、どうしようもなくひねくれた自分でも、愛してもらうことができたのだから……。
ミズキが与えてくれるぬくもりが、さらにメイの心を開いていく。
幼き日の真っさらな心を蘇らせてくれる……。


