「驚かないで聞いてほしい。

僕達は、君をこの家の養子に迎えたいと思っている」

「え……?」

メイは伏せていた顔を勢いよく上げ、大成の顔を見つめた。

大成の顔は力強さとぬくもりに溢れている。

それは、清が病院に運ばれた日に病室で見た清の瞳と似ていた。


「メイちゃん。私の妹になってほしい」

ミズキは穏やかに言った。

菜月もメイに優しく話しかける。

「やっぱり、驚かせちゃったわよね」

大成は、視線を泳がすメイの瞳をまっすぐに見た。

「メグルちゃんのおばあ様が入院されてから、僕達は毎日君のことについて話していた。

ミズキが、メイちゃんのことを妹に……この家族の一員にしたいと話してくれたのが始まりで……。


僕達も、リョウのことについて気持ちの整理が出来ていなかったから、それも含めて、メイちゃんのことについて色んな角度から話し合っていたんだ。


その結果、ここにいる全員が、君を養子に迎えたいという気持ちになった。

でも、僕達の意思だけじゃ決められない重要なことだから、まず君に、この話を聞いてもらいたかったんだ。

君は、どう思ってる?」

「養子って……。

私がこの家の子供になるってこと……でしょ?」

「そういうことになるね」

曇りのない声で言い切る大成を強い瞳で見つめ返し、メイは言った。

「本気で言ってんの?

私は、リョウを追い詰めた人間なんだよ……。

どう考えたらそんな話になるんだよ……」