しゃぼん玉


リクはその部屋の様子を見て固まった。

「なんだよ、これ……」

メイの部屋となる6畳の和室。

そこにあるたったひとつの窓は粉々に割れて、ガラス片があちこちに散らばっていた。

それだけじゃなく、部屋の中には赤いカラースプレーで、

[ごみ女]

[死ねよ]

[ブサイク]

大きく乱暴な文字で、そう書かれている……。


メイが書いたものではない。

リクはメイの筆跡を知っている。


“ガラスを割ったのも、この落書きも、おばさんがやったの!?”

信じられなかった。

実の娘にこの仕打ち。

学校内で発生する《イジメ》と呼ばれる行為を上回るのではないだろうか。


「ひどい……。

ひどすぎる……」


――もしも自分が、実の両親にこんなことをされたら、どう思うだろうか?――

これを目の当たりにしたメイの心境を想像し、リクは涙を抑えることができなかった。