メグルと一郎が医師の元で話を聞いている間、ミズキ達は清が入院することになった病室に行くことにした。
夜遅い時間だったが、特別に見舞いの許可を得ることが出来た。
静かな通路の先にある個室部屋。
先頭のミズキが扉をノックし、メイの手をつないだまま中に入った。
ナナセ、シュン、マナ、リクも、二人の後に続く。
すでに窓際のカーテンが閉められた病室は薄暗く、ベッド脇の間接照明しかついていない。
「ばあちゃん……」
清が血を吐いた瞬間を思い出し、メイは震える声でベッドの清に話しかけた。
口元に酸素マスクを付けられた清の顔は、青白い。
ベッド脇にあるサイドテーブルには、水差しが置かれていた。
清の顔を見て嫌な予感がしたが、ミズキは黙ったまま、メイの手をにぎりしめ続けた。
メイをはじめ、その場の全員がジッと清を見つめていると、人の気配に気付いたのか、清がゆっくり目を開けた。
「ばあちゃん……!」
メイは、つないでいたミズキの手をそっと離すと、床にヒザをついてベッド脇に座り、寝ている清と目の高さを合わせる。
「ごめんね、メイちゃん。
心配かけたかい?
もう、大丈夫だから」
清は弱々しい声でそう言い、酸素マスクを取り外してメイの手を探した。
それに気付き、メイは戸惑うように指先を差し出す。


