リョウの名前の下には、当時リョウが使っていたケータイ電話の番号とメールアドレスが記入されていた。
“うそ……。
星崎が私を好きだった……!?”
メイは口元を震わせた。
手紙を抱きしめ、その場にしゃがみ込む。
ずっと抑えていたものが涙となって流れ出し、止まってはくれなかった。
長い間、ひとりぼっちだと思っていた。
小学生の時から万引きや置き引きを繰り返し、生き延びることに必死で……。
幼い頃、みんなと仲良くなりたかったのに嫌われて、小学校を転校する前日にいろいろな生徒から暴行を受けた。
その中のうちの一人に「あんたは生きている価値もない」と言われてから、誰にも近付けなくなった。
深入りして、傷を負いたくなかったから。
そんな生活は孤独だったけど、母親にすら嫌われているのだから学校で嫌われても仕方ないと思っていた。
高校生になっても、メグル以外の女子達には嫌われていた。
ひとりになりたくないから気付かないフリをしていたけれど、彼女達の本音を痛いほど肌で感じていた。
そんな、愛される価値のない自分だから、リョウにも振り向かれなかったのだと思った。
そう思うとどうしようもなく悲しくて、
むなしくて、
みじめで、
……腹が立った。
リョウに告白を断られてから、真っ黒になったメイの心。
いや、すでに、元から真っ黒だったのかもしれない。


