メグルの手のひらの熱が、メイに安心感を与える。
眠くはないが、メイは瞳を閉じた。
「幼なじみのメイからしたらあまり考えられないかもしれないけど。
リク君て仕事早くて愛想も良いから、バイト先でけっこうモテるんだよね。
客に、メアド書いた紙もらったりしてたし。
その相手、どんな人だと思う? 女子大生だよっ」
「信じらんない。
あんな説教好き男の何がいいんだか」
メイの冷静な返しに、メグルは吹き出す。
「はははっ!
リク君なら、その気になればすぐ彼女作れちゃうのに、みーんな!断ってんの!
『俺、好きな子いるんで』って、マジな顔してさ」
「……」
「みんながリク君を応援したくなるの、あたし分かるもん。
ま、あたしはメイの幸せが一番大事なんだけどねっ。
リク君なら安心できる、ってだけ。
こんなの、あたしのワガママだよね。
リク君に限らず、もしメイに好きな人ができたら、全力で応援するしっ」
メグルは思っていたことを全て話して、清々しく微笑んだ。
メイは、この穏やかな雰囲気に気持ちが緩み、特に何の感情も持たず、淡々とこう言った。
「私、リクでも何でも、男の相手すんのは一生無理だと思う。
……父親にヤラれてたから」


