しゃぼん玉


この間、メグルが穂積宅に取りにいってくれたメイの荷物。

それらが入った紙袋の中から、メイはタバコを取り出そうとして、やめた。

“そういえば、リクに取り上げられたんだっけ……”


メグルがこの荷物を持ってリクのお見舞いに行った日。

リクはこの紙袋の中の荷物をあさり、「やっぱりあった!」と言い、タバコとライターを没収していったそうだ。

「あいつ、自分の学校でもあんなんなのかな」

メイは小さく舌打ちをし、昔リクからもらった小さなクリスマスブーツを手にした。

「これ、こんなに小さかったんだ……」


メイは、クリスマスに一つだけいい思い出があった。

両親が離婚するだいぶ前のこと……。

その時何をして過ごしたのか、はっきりとは覚えていないが、翔子にもらった最初で最後のプレゼントのことだけはしっかり記憶している……。

メイは整理整頓が苦手なため、その時翔子にもらった「あれ」は失ってしまったが、その年のクリスマスは、見る物全てが輝いていて、あたたかい色をしていた。

カラフルなキャンドルの炎も、

砂糖で出来たサンタの人形が乗ったケーキも、

天井まで届きそうなクリスマスツリーも……。

そして、父親と母親の笑顔も……。