しゃぼん玉


もはや日常となっているやり取りをしながら駅に向かっていると、交差点脇に立つビルの前に、数人の人だかりが出来ていた。

どうやら、通行人同士が喧嘩をしているらしく、それを見ていた人々は「警察に連絡した方がいいのではないか」と、目を見合わせあっていた。


「あれってメグルちゃん!?」

マナは、人だかりから少し離れた所に、顔見知りの姿を発見した。

見たところ、メグルはケータイで誰かと話している。

シュンとマナは、人の群れに隠れた喧嘩を気にしつつも、メグルの方に駆け寄った。


制服姿のメグル。

バイトを終えた足で、これから帰ろうとしていたそうだ。

「メグルちゃん、バイト帰り?」

メグルが電話を終えるのを待ち、マナはメグルに近付いた。

メグルはすがるようにマナとシュンを見て、人だかりの方を指さした。

「どうしよう!

リク君が……!」

「ケンカしてんのって、まさかリク!?」

シュンはメグルに詰め寄る。

「うん! あたし達、今日も一緒にバイトしてたんだけど、リク君は夜から家庭教師があるって言ってたから、あたしより先に帰ったの。

なのに、あたしがバイト終わってここ歩いてたら、男と揉めててさ……。

あの男、前にウチの学校に来てたよ。メイに会いに……。

ばあちゃんが、変な男がメイの周りうろついてるとは言ってたけど、あれが、メイを騙そうとしてた男だよね……!?」

その言葉を聞くなり、シュンは人だかりの間をすり抜け、ケンカしている人物達に近付いていった。