しゃぼん玉



ジム前でナナセに喝(かつ)を入れた後、シュンはマナと手をつないで帰宅しようとしていた。

シュンがあんなにも厳しくナナセを責めた事に戸惑ったマナは、

「あんな言い方して良かったの?

ナナセ君には、逆効果だったんじゃない?

しかも、アイリちゃんてコもそばにいたのにさ……」

「アイリがいたから、わざと、ああ言ったんだ」

「わざと!?」


シュンは、アイリの気持ちに気付いていた。


「アイリは多分、ナナセに好意持ってる。

でも、まだそんなに深くないはずだから、今のうちにナナセの気持ち思い知らせて、諦めさせてやった方がいいんじゃないかと思ってさ。

アイリがいて、逆に都合が良かった」

「どういうこと?

アイリちゃんて、ナナセ君のことが好きなの?

そんな風に見えなかったけど……。

それに、アイリちゃんって、宇野マサヤと付き合ってるじゃん」

「そうなんだけど……。

この間みんなでマサヤんち行った時、ナナセに対するアイリの様子が何かおかしかったから、何となく、な」

「ふぇぇ………」

並々ならぬシュンの観察眼に、マナは気の抜けた反応しかできない。

「あんたの観察力には、敵わない……。

っていうか、あんなことしてナナセ君との仲がこじれても知らないからっ」

と、憎まれ口半分、呆れ半分でため息をついた。

シュンはマナの頭をなで、

「大丈夫。ナナセは絶対、わかってくれるから。

俺はアイツを信じてる」

「ふーん……」

「マナ、俺のこと心配してくれてんだな。嬉しっ」

「こんな道端で抱きつくなっ!!」