しゃぼん玉


ミズキもナナセの反応にかなり驚いた。

「嫌じゃ、なかったの?」

思わず、そう聞き返してしまう。

ナナセは耳まで真っ赤にして「うん」と、小さくうなずいた。


ジムのプールで、アイリに真横に座られた時はヒヤッとしたのに、今ミズキがこんなに傍にいても、嫌な気がしない。

むしろ……。


「ナナセ君、無理しないで?

私、こうしてるだけで幸せだから」

自分の腕をナナセの腕に絡ませ、心からの笑顔で星空を見上げるミズキ。

その横顔に、

夜風になびく髪に、

柔らかい腕に、

ナナセの視線はくぎづけになった。


「無理は、してないよ」

「え……?」

ミズキは弾かれるようにナナセの顔を見た。

暗さに目が慣れて、互いの顔の細かい部分がハッキリ見える。


ナナセは伏し目で、手のひらの汗を感じていた。


ミズキは、ナナセが何を言おうとしているのかを感じ取り、そっと瞳を閉じる。

“ナナセ君から、してほしい……”

仕草で気持ちを示した。