いつも柔らかく微笑んでいて、どんなことにも穏やかな態度を崩さないミズキ。
でも、本当はこんなにも小さくて細い、繊細な体をしている。
そんな全身でいろいろな事を抱え、毎日健気に生きている。
ナナセは愛しさと謝罪の意味を込めて、ミズキを強く抱きしめた。
もう離さない、と、心に誓って……。
ナナセの腕の中にいると、ミズキの不安も一気に消えていった。
今、二人の間には言葉ではなく、触れ合いで通じ合う何かがある。
ヒデトに抱きしめられても癒されることのなかったミズキの痛みも、こうすることで和らぐ気がした。
一方ナナセも、ジムでアイリに触れられた時のような違和感や拒絶反応を、今は全く感じない。
しばらくそうして抱きしめ合い、ミズキの涙が落ち着いた後、二人は手をつないで、ミズキの自宅近くの河原にやってきた。
外灯も50メートルごとに一本しか立っておらず、薄暗い。
河原には芝生が植えられており、木目調のベンチが設置されていた。
遠くにある外灯のかすかな光が届いて、川の水面に立つ小さな波を白く浮かせ、芝生の先端を光らせている。
ひんやりするベンチに座り、二人は、互いに隠していた本音を全て話し合った。


