それまでの真剣な口調を一転、からかうような、ふざけたような、そんな口ぶりで、シュンは言葉を継いだ。
「ミズキの事放っておいて他の女に慰めてもらうなんて……お前どんだけ情けないんだよ。
ジムに通ってんのはそれ目的かっつーの!
他の女といて楽しいんだもんな?
ミズキに連絡できないわけだ」
「……違うよ!
慰めてもらうとか、そんなつもりじゃ……。
ミズキちゃんに連絡していない事と、アイリちゃんは、関係ないよ。
アイリちゃんは、ジムで良くしてくれてるだけで……」
ナナセは弱々しい表情だがハッキリした声で口を開く。
シュンはそんなナナセを面白そうに見つめ、
「知ってるよ、そんなこと。
お前はそんなヤツじゃないってことくらい」
「え……?」
シュンの言葉の意味が分からず、ナナセは困惑した。
「……お前は、今の俺と同じようなことミズキにしてるんだよ。
分かんねえ? よく考えてみろよ。
お前、ミズキとちゃんと話もしないうちにミズキのこと悪い風に決めつけて、避け続けて……。
自分の気持ちも、ぶつけようとしない。
ミズキの気持ちを聞こうともしない。
最悪。超最悪、最低」
「……」
ナナセはシュンの顔を見て泣きそうな目をしている。
「シュン……もっと違う言い方ないの?」
さすがのマナも、ナナセの悲しげな顔に気づいて眉を寄せた。
これでよけいにナナセとミズキがこじれてしまうのではないか、心配になって……。


