しゃぼん玉


大学の門前でヒデトの顔を見た時から、ミズキは心のどこかでこうなることを予感していた。


やけに長すぎた沈黙。

ヒデトの突然の訪問……。


“ナナセ君とは、もう二度と会えないかもしれない……。

このままさよならなのかもしれない……”

ナナセと知り合って以来、こんなに長い間ナナセからの連絡が来ないことは初めてだった。

“ナナセ君とこうなったのは、ヒデトとヨリを戻すためだったの……?

元から、そうなることが決まっていたの?”


ヒデトはそっとミズキの体を離すと、彼女の顔を覗き込んだ。

「ミズキ……。

彼氏と別れて、俺にしろよ……。

もう一度、俺の彼女になって……?」

「……っ」

“それが、一番なの……?

ヒデトと付き合ったら、もう誰のことも傷つけなくてすむ?”

ミズキはじっとヒデトの目を見つめる。

ヒデトの瞳には、悲しげなミズキの顔が映っていた。


ヒデトはミズキの肩にゆっくり手を置くと、自分の顔をミズキの顔にそっと近付けた……。