その頃ミズキは、マナやシュンと共に大学の授業を終え、帰宅しようとしていた。
ミズキはケータイを取り出し、何も映っていない待受画面を閉じると、ため息をつき、それをバッグの中にしまった。
12月も中旬を迎え、日々寒さがきつくなっている。
コートを着てマフラーを巻き、ブーツで完全防寒していたミズキの体も、ゾワリと震えてしまう。
あまりの寒さに、シュンはマナの肩を抱こうとしたが、マナはそれをやめさせた。
ミズキに聞こえないよう、マナはシュンの耳元で、
「ミズキちゃん今ナナセ君といろいろあった後なんだよ!?
そんな、見せつけるような無神経なことしないで!」
「そうだよな、ごめん……」
シュンはしょんぼりしながらもマナの主張を受け入れた。
ミズキは気丈に振る舞っているけれど、毎日、何回も、ナナセからの連絡を待ってケータイを確認しては、悲しそうな瞳をしていた。
ナナセに距離を置こうと言われた日から、ミズキのケータイにはナナセからの連絡はない。
“私の弱さのせいで、ナナセ君のことを傷つけちゃったよね……。
もう、私達、終わりなのかな……”
シュンとマナは、無口なミズキの背中を見守るように、彼女の後ろを歩く。
茶色い枯れ葉が揺れる大学の門前で、見知った人物がミズキ達の方を見ていた。


