それから数日後……。
ナナセのことを考えながらも、ミズキは夢を目指して大学に通う日々を送っていた。
マナとシュンは、ミズキとナナセが最近会っていないことを知っていたが、
「私は大丈夫。今は勉強に集中するから」
と言うミズキに、何も言えなかった。
「ちゃんと、ミズキと話し合え!」
一度、シュンはナナセにそう言い聞かせたのだが、ナナセは困ったように微笑して「うん、わかった」と言うだけだった。
不安だったけれど、ミズキはナナセのことを信じていた。
“ナナセ君は、いつかきっと私と向き合ってくれる”
それに、最初ナナセから逃げたのは自分なのだから、こうなってしまったのは仕方がないとも思っていた。
“もしナナセ君が私に向き合ってくれたら、その時はもう、私はナナセ君から逃げない。絶対に……”
自分を強くするための時期なのだと受け止め、ミズキは前向きに日常を過ごした。
ナナセを信じているから。
両親やマナ、シュンが見守っていてくれるから。
リクの体調も元に戻り、バイトにも復帰したが、リクの代わりにバイトを引き受けたメグルも、働き続けていた。
メグルは、バイト仲間と化したリクに笑いかけ、
「自分で金稼ぐって、なんか気持ちいいよね。
居酒屋バイトってお客さん相手の仕事だから、やりがいっつーか、頑張った成果が目に見えて楽しい」
メグルはいつの間にか、金目的ではなく、客の喜ぶ顔が見たくてバイトに通うようになっていた。
メイの熱はリクより長引いていたが、メグルの祖父母·清(きよ)と一郎による手厚い看護でみるみる回復していった。


