しゃぼん玉


菜月のことを心配し、単身赴任先のアパートから一時帰宅していたミズキの父·大成は、今日から仕事に通いだしたため、もう家にはいなかった。

だが、ミズキがしたそれらの話は、その日のうちに菜月から大成に伝わり、大成は今週の休みに帰宅してくることになった。


菜月と話し終えたミズキは、マナやナナセに連絡するため自室に戻った。

ひんやりした空気を暖めるために部屋の明かりをつけ、エアコンのスイッチを押し、ベッドに腰を下ろす。

ベッドの上には、ナナセが使っていたブランケットが置いてあった。

それをヒザにかけ、ミズキはケータイを手に取る。

着信履歴を見ると、数時間前にナナセから何回か電話がかかってきていた。

メールも2件届いている。

《FROM:マナ

ミズキちゃん、今も一人?

みんな心配してるよ。連絡待ってるね》

《FROM:ナナセ君

電話出れない場所にいるのかな?

もしメール見てたら、連絡ください。》


着信履歴をスクロールさせていくと、ナナセからの着信の合間に、シュンとマナからの着信も何件かあった。

カラオケの室内にいて、気付けなかった……。

“みんな、ごめんね……。

もう、心配かけないから”

両親に話したおかげ。

ヒデトが気分転換をさせてくれたおかげ。

マナとユウが背中を押してくれたおかげ。

みんなのおかげで、ミズキは自分を前に向かせることができている。

“みんな、ありがとう”