しゃぼん玉


ミズキが自宅に帰ると、母·菜月が心配そうにミズキの方へ駆け寄ってきた。

「ミズキ……!

ナナセ君と一緒じゃなかったの?

さっき、ナナセ君から電話がきたわよ」

「うん……。私のせいで、ちょっと、ね。

今から電話してみる」

「そうしなさい?

ナナセ君ね、ミズキの居場所が分かったら教えてほしいって言ってたから」

「うん……!」


菜月にナナセからの伝言を聞いて、ミズキにはますます後悔が押し寄せる。

“ナナセ君、そんなに心配してくれてたんだ、私のこと……”


ナナセに電話をかけるためミズキが自室に向かおうとすると、菜月がミズキを引き止める。

「ナナセ君は優しい子ね。

ミズキ、今度は絶対、その手を離しちゃダメよ。


それに、辛いことがあるならお母さん達にも話してね。

絶対、一人で抱えないでほしい。

ミズキの悩みは、お父さんとお母さんの悩みでもあるから。


私達、強くなるから……。

みんなで一緒に解決しましょう?」

「……お母さん」

ミズキの目には、無意識のうちに涙が溢れる。

菜月はそっと、ミズキの頭をなでた。

「ミズキ、今まで本当にごめんね。

私達、ミズキがしっかり者だからって、ミズキに甘え過ぎてた……。

ミズキを甘え下手にさせちゃったのは、私達ね」

「そんなこと、ない……」