ユウは穏やかな声でミズキに語りかけた。
「ヒデトの想い、無駄にしないであげて?
星崎さんが笑ってなきゃ、ヒデトのウソも無意味になっちゃうし」
「うん……」
ミズキの頬に涙が伝う。
「自分の目の前で星崎さんが泣いてたら、ヒデトはきっと、期待する。
そういう気持ち、分かるんだ。
俺もそうだったから……」
ユウは、過去の自分と今のヒデトを重ね、思う。
“高山さんがシュン君のことで泣いてた時、助けてあげたいとか、俺なら幸せにしてあげられるとか、変な期待ばかりしてた……。
高山さんにはシュン君しか見えてないってこと、心のどこかでは分かってたはずなのに”
「星崎さんが幸せなら、ヒデトも諦められるから。
ヒデトのこと、楽にしてあげて」
「ごめんね、私……。
水谷君の言う通りだよ。
私、ヒデトを振ったのに……。
ナナセ君のことまで傷つけたら、ヒデトに合わせる顔がなくなるよ……」
「いいよ。大丈夫。
星崎さんなら絶対、大丈夫。
ヒデトが本気で好きになった子だから。
絶対、幸せになるに決まってる!」
「ありがとう……!」
ヒデトを傷つけ、また同じあやまちを犯そうとしていたミズキを、ユウは責めることなく励ましてくれた。
ミズキはそのことに胸を熱くする。
そして改めて、この先のユウの幸せを願った。
“水谷君にもいつか、素敵な恋人ができますように……”


