しゃぼん玉


「星崎さんは、今の彼氏のことが好きなんでしょ?

だったらその気持ちに自信持たなきゃ。

彼氏も、星崎さんの全部を知りたいはずだよ」

「うん、そうだよね……。

怖がってたらダメだよね」

ユウに励まされ、ミズキは自分の気持ちを再確認した。


ユウは念を押すかのように、真剣な瞳をミズキに向ける。

ミズキは、急に変わったユウの表情に、ドキリと冷や汗が出る感覚を覚えた。

「ヒデトね、彼女なんていないよ」

「えっ?」

「星崎さんに気を遣わせないためのウソ。多分、ね」

「そんな……。ヒデト、今は新しい恋して幸せにやってるって言ってたのに……」

そう言いながらもミズキは、カラオケ店でのヒデトとの会話を思い出していた。

『一度本気で好きになった女のこと、忘れられる方法なんて分かんないよな。

あるなら俺も知りたい……』


ヒデトは、マナに未練を持つユウを応援する一方で、自分自身もミズキへの思いを断ち切れずにいたのだ。


「ヒデト……」

ヒデトの本音を知ったミズキは、あの頃の比にならないほど胸がしめつけられた。

高校卒業を目前にした自由登校の日。

学校の屋上で、ヒデトの告白を断った瞬間。

それ以上に、今、ミズキの胸は激しい音を立てている。