「彼氏とケンカでもした?
カラオケで歌ってる時も、なんだかヤケっぽかったし」
昔と変わらない優しい口調で尋ねるユウ。
ミズキがヒデトと付き合っていた時も、ユウはこんな風にミズキの話を聞いてくれた。
そして、ヒデトとわだかまりなく仲直りができるよう、色々気を回してくれたりして……。
ミズキはマナとの電話で大切なことに気付けたのだけど、さらに、ユウに今の気持ちを話すことで、過去を振り返らず前に進める気がした。
ミズキは、ヒデトと別れた理由をユウに詳しく話したことはなかった。
なので、そのことは伏せ、口を開く。
「ナナセ君とも、私のせいで別れてしまうかもしれない」
「そっか、やっぱり」
ユウは心配げに笑う。
「星崎さんには悪いんだけど、俺、ヒデトから全部聞いてるんだ。
ヒデトが星崎さんと別れた理由とか、星崎さんの弟のことも……」
「水谷君……。全部、知ってたの?」
ミズキは驚きを隠せなかった。
「今まで黙っててごめん。
知らないフリした方がいいと思って、そうしてた」
「そうだったんだ……」
高校時代、ユウとヒデトは同じバスケ部に所属する親友同士だったのだから、ヒデトがユウに恋愛相談していたとしても、おかしくはない。


