だがリクは、冷静な顔で金の入った封筒を取り上げた。

「メイ。

喜ぶのはいいけど、これを使うのなら、もう、ミズキさんに関わるな」

「なんでー?

こんないいカモ、簡単に逃せるわけないじゃーん」

「カモじゃない。

メイをもう、ミズキさんに近づかせない。

ミズキさんの彼氏…ナナセ君とそう約束して、このお金を預かったんだ。

だから、メイがこれに手をつけるってことは、ミズキさんの家族に関わらないって意思を示すのと同じなんだ」

メイはミズキの存在を知っているリクに驚いた。

「……なんで星崎ミズキのこと知ってるの?」

リクは、その理由を全て話した。

メイの後をつけて、その結果こうなっていることを……。


「星崎リョウって男のことも聞いた。

メイさ、その人が死んだ時、何とも思わなかったの?」

リクは、今までにない真剣な表情だった。