しゃぼん玉


「え……?」

現在、ヒデトには彼女がいるはずなのに、なぜそんなことを言うのだろう。

不思議に思ったミズキは小首を傾げる。

ヒデトは言いにくそうに、

「あのさ……」

すると、ミズキのケータイが鳴り響いた。

ミズキはそれを慌てて確認すると、マナから電話がかかってきている。

「マナから電話だ……」

ヒデトと話している途中なのに電話に出ていいものか分からず、ミズキは目の動きでそれをヒデトに尋ねた。

「出たら? 待ってる」

「ごめんね、じゃあ……」


『ミズキちゃん、今どこ?』

マナの声を聞いて、ミズキはさきほどのことを思い出した。

宇野マサヤの家で起こったことを……。

「今は、ちょっと外にいる……」

ヒデトとカラオケに来ている、とは言えなかった。

うしろめたさ。

そんなものがミズキに絡みついてくる。

ミズキの声を聞けて安心したマナは、さきほどミズキにメールを送ったと話した。

ミズキはそのメールに気付いておらず、まだ返事をしていない。

『ミズキちゃんに、何かあったんじゃないかって心配で……。

今、シュンと一緒にいるんだけど、シュンもナナセ君と連絡取れないって言ってるし……。

ミズキちゃん、まだナナセ君と会えてないの?』