時々まわってくるマイクに声を吸い込ませるたび、ミズキの気持ちは楽になっていくようだった。
さきほどまでは無理して作っていた笑顔も、今では自然なものとなっている。
そんなミズキの顔を見て頬を赤くしたヒデトは、彼女から目をそらしサッと顔を伏せた。
ミズキは、ヒデトの向こうにいるユウを見て、
「水谷君も楽しんでるみたいで良かったね」
と、ヒデトの活躍をほめた。
だが、ヒデトは悲しげなため息をつくだけで、次の瞬間にはミズキの腕を引き、彼女を部屋の外に引っ張っていた。
大音量にさらされていた耳には、通路の空気がやけに静かに感じる。
「急にどうしたの?
気分悪くなった?」
ヒデトの体調を気にするミズキを見て、ヒデトは幸せそうに、
「そういうとこ、変わんないな。ミズキって」
「……元気みたいだね」
安心したように肩を下げるミズキに、ヒデトはふぅ、と、さきほどより深いため息をつく。
「こういうこと、苦手なんだけどさ」
「うん」
「ユウには、無理にでも彼女作らせた方がいいんじゃないかと思って。
自分で言うのも何だけど、ウチのサークルいいヤツばっかだし」


