ミズキ達が部屋に入ると、女性陣の黄色い声が響く。
およそ20人は入れる大部屋。
ミズキ達と同い年の少年少女がざっと見る限り10人はいる、いや、もっといるだろうか。
彼らもさきほどここに到着したばかりの様で、飲み物や食べ物をオーダーしたり、ペンでタッチして操作するタイプのリモコンで歌いたい曲を選んでいる。
ミズキ達が部屋に入った瞬間、女の子達の動きは止まり、待っていましたと言わんばかりにミズキ達の方に近付いてきた。
その中の一人がヒデトに近付く。
それはモデルのように綺麗な顔の女の子で、着ている物にも最新の流行を取り入れている。
他の女の子達も、ただのサークルの集まりにしては身なりに気合いが入り過ぎていた。
それを見てミズキは、ヒデトがユウをここに連れてきた理由をだいたい察した。
「ねぇねぇ! その人が水谷君?」
丁寧なメイクをほどこした瞳の大きな女の子が、爛々(らんらん)とした目でユウを見上げる。
ユウは彼女の挑戦的な上目使いにドギマギし、
「うん、そうだけど」
するとヒデトは二人の間に割って入り、
「オイ! いきなりそんな目つきで見んなよな。ユウがビビるだろ?
ユウも、もうちょっと愛想よくできないわけ?」
と、場の空気を和ませるように明るく言った。
“ヒデト、人と人の間をとりもつ幹事役的なこと、苦手だったもんね……”
ミズキはヒデトと付き合っていた頃を思い出し、内心ほっこりする。


