ミズキは、ヒデトやユウと共に電車に乗り、繁華街にやって来た。
全国チェーンを展開しているカラオケ店に入店。
タバコの匂いがかすかにする店内は、各部屋の壁に防音材が使われているとはいえ、あちこちから他の客達の歌声が漏れている。
繁華街もにぎやかだったが、ここはさらに明るい光で満ちている。
「みんな、もう来てるって」
そう言うとヒデトは、ミズキとユウの背中を押し、一番奥の部屋に向かう。
「他にも誰かいるの?」
三人だけではないと知って困惑するミズキに、ユウはやや緊張した声音で答える。
「ヒデトの大学のサークルの人達が来てるみたい。
実は俺も、そこに参加するの今日が初めてなんだ。
ヒデトに『どうしても!』って頼まれて」
「そうだったんだ」
仲良しコンビのヒデトとユウは、ミズキやマナと同じ高校の同級生だ。
ユウはヒデトとは違う大学に進んだため、こうしてヒデトの大学のサークルの集まりに顔を出すことにやや緊張しているようでもある。
これから顔を合わせるメンバーの中で、自分だけが新顔ではないと知り、ミズキは少しホッとしていた。


