しゃぼん玉


「マサヤとは別れたよ。

やっと楽になれた!って感じ」

そう言いアイリは清々しそうに伸びをした。

ナナセは驚いたが、別れの事情はあえて追求せず、「そっか……」と、短い反応しかできなかった。

アイリはナナセの遠慮を感じ取り、

「私は大丈夫!

リョウ君のことに関係なく、いつかはこうなってたと思うから。

今までマサヤといてたくさん嫌な思いしてたのに、別れなかったのが不思議なくらいだし」

と、穏やかに言った。

「それより、ミズキちゃんは?

まだ、見つかってないみたいだね」

アイリは周囲を見回す。

「うん……。まだこの辺りにいると思うんだけど……」

「家に帰ってるんじゃない?」

「ケータイに電話しても出なかったから、家にも電話したんだけど、ミズキちゃんまだ帰ってきてないって……」

「探すの手伝おっか?」

ミズキ探しを申し出つつ、アイリはささやかな幸せを求める自分に気付いていた。

“両想いになるのが無理なら、少しでもいいからナナセ君のそばにいたい……”


「ううん、一人で探すからいいよ。

もう暗くなるし、アイリちゃんにまで迷惑かけられないよ」

ナナセは困ったようにそう言い、事態の深刻さから逃げるように笑う。