マサヤは暗い表情をそっとアイリに向ける。
「でもさ、ナナセは星崎と付き合ってんじゃん……。
お前が好きになったって、どうにもならないんじゃない?」
「そうだけど……」
ナナセの呼びかけに答えずこの家を出て行ったミズキのことを思い出し、アイリは言った。
「ナナセ君とミズキちゃんは、ずっとうまくいってると思ってたけど、さっきのミズキちゃんの態度見てたら、分からなくなった」
「それって、星崎からナナセを奪うってこと?」
「そんなつもりないよ!
ただ……。ナナセ君の力になれたらいいな、とは思う……」
そう言いながらもアイリは、自分の気持ちに嘘をついているような、後ろめたいような、重たい気持ちになる。


