マサヤは花瓶を両手で挟み、手のひらで転がした。
「……なんか、それ聞いて気分よかった。
今までモヤモヤしてたわけわかんねーモンがなくなってくみたいで……」
「……」
アイリは、マサヤの携帯電話をにぎりしめる手に力を込める。
「いろんなことにイライラして、お前に当たってばっかだった。
『デブ』とか『痩せろ』って、お前にお前の悪口言うと、スッキリしてた。
でももう、変われる気がする……。
ナナセも言ってたしな。親は子供を大切にするもんだって。
アイツも、俺と同じような親持ってんのに」
「じゃあ……。
ミズキちゃんの弟のことも、反省してくれるの?」
マサヤは静かにため息をついた後、
「それはまだ分かんねぇ……。
星崎リョウのことがムカついて、消えればいいと思ったのは確かだし。
……でも、お前に対しては変わっていきたいと思う」


