マナ達がいなくなった後の、宇野家――。
アイリは、マサヤと話していた。
彼は、さきほどミズキ達とあんな事があって不愉快でいるはずなのに、なぜか機嫌が良さそうだった。
マサヤとは1年ほど付き合ってきたが、アイリですら、こんなマサヤを見るのは初めてだった。
「マサヤ、いつもみたいに怒らないの?」
と、質問してしまったくらいだ。
マサヤはノドの奥でクックッと笑い、
「たしかに、星崎にはムカついたけど」
そう言い、床に放置されたままのミズキが投げた花瓶をそっと拾った。
「お前、さっき言ってたじゃん。
俺のオカンから電話がきたって」
「うん。言ったけど……」
「まさか、そんな風に思われてるなんてな。
オヤジもオカンも、俺がいなくなっても気にしないんじゃね?って思ってたとこあったから」
「マサヤ、いつもひとりだったもんね。
こんなに広い家でさ……」
アイリは、乱れた生活を送るマサヤの姿をたくさん見てきたため、マサヤの母親からの電話には、なおさら心があたたまる思いだった。


