しゃぼん玉


ミズキはイタズラっ子のような表情をヒデトに向け、

「彼女いるくせに、他の女にそういうこと言うの良くないよっ!」

「……ああ、そうだな! ゴメンゴメン」

ヒデトはそう言って腕を組み、ミズキの視線から逃れるように目をそらした。

「え? ヒデト……」

ユウはそうつぶやいたが、それに続く言葉を飲み込むように口をつぐむ。


「そうだね。私も混ぜてもらおっかな」

ミズキがためらいがちに返事するとヒデトの表情は明るくなり、ユウは複雑そうな笑みを漏らした。


“いつもと違うことをして気分を変えれば、私のこの汚い気持ちも、何か変わるかもしれない……”

気心知れたユウとヒデトが相手だったからこそ、ミズキはそう思えた。

ヒデトと付き合っていた頃は、よくこのメンバーで遊びに行っていたから……。


ヒデトに彼女がいるのは分かっていたが、今のミズキにはその子を気遣う神経は残っていなかったし、もう、ヒデトに彼女がいることを悲しんだり切なく思ったりはしない。

彼とは友達ではないけれど、もはやそれに近い感情だった。