現在アケミには、小林ケイタという彼氏がいる。
ケイタとシュン、アケミの三人は、かつて同じ高校に通っていたクラスメイトなのだ。
ケイタのおかげで、リュウと付き合っていた時のアケミの心の傷は癒えているが、だからこそ、今は冷静にリュウとの付き合いを振り返ることができている。
アケミは言った。
「私、リュウが捕まった時に思ったんだ……。
その人が犯した罪を追求して罰したからって、その人が変わるかどうかは分からない。
最後は、その人次第なんだと思う。
それに、マナちゃんが言う犯人Mの親はMの犯罪行為を知ったら悲しむかもしれないけど、悲しまないかもしれない」
「悲しま、ない?」
「普通は悲しむよね。家族が犯罪犯したらさ……。
私もリュウと付き合ってた頃はそう思ってたから、マナちゃんの言いたいこと分かるよ。
でも……。リュウにはそんな親いなかった……。
それどころか、リュウが少年院に入ったことで、リュウの親はますますリュウに距離を置くようになった……。
リュウに面会に行った時、たまたまリュウのお父さんに会ったことがあるんだけど、リュウのお父さんね、『もうお前なんて息子でも何でもない! 少年院から出てきても帰ってくるな! 今まで育ててやった恩を仇(あだ)で返しやがって!』ってめちゃくちゃ怒鳴ってて……。
あの時に思ったんだ。
加害者も実は被害者なのかもしれない、って。
リュウね、付き合ってた時よく、『家はつまんねー』『俺は親に嫌われてるから何したって誰にも迷惑かけねーよ』って、口癖のように言ってたし……」


