アケミは腕組みをし、どこか一点を見てしばらく黙り込む。
マナは、アケミの答えを待った。
「これは私の経験だから、こんなんでマナちゃんの考え事が解決されるかどうかは分からないけど……」
アケミは一瞬だけ瞳に悲しげな色を見せた後、過去をたどるように話しはじめた。
それは、アケミの元カレ·リュウの事。
マナも、シュンからその話を聞いたことがあったが、こうして詳しく聞くのは初めてだった。
アケミは、中学1年の頃から高校1年まで、約3年間リュウという同い年の少年と付き合っていた。
リュウは中学時代から手のつけられない不良として有名で、彼はアケミには優しかったが、校内で気に入らない生徒に暴力を振るうことは日常茶飯事だった。
それだけでは治まらず、リュウは注意してくる教師達にも手をあげたり、街行く一般人にも暴行を加えていた。
アケミは泣きながらリュウを止めたが、彼は聞く耳を持つどころかアケミに逆ギレをした。
その結果、リュウの少年院行きが決定し、それがきっかけでアケミは彼と別れたのだった。


