しゃぼん玉


マナの母に頼まれ、シュンが夕食作りの手伝いをしている間、マナはミズキにメールを打つため一旦自室に戻ることにした。

すると、さっき帰っていったはずのアケミが、マナの後ろにいた。

「ア、アケミちゃん、どうしたの?

帰ったんじゃ……」

「つれないこと言わないでよぉ。

マナちゃん、何かあったのー?」

「あ……」

マナはうろたえ、モジモジした。

「ふふっ。マナちゃんは素直だね、かわいいなぁ」

アケミは嬉しそうにマナの頬をツンツンと人差し指で突き、マナと共に部屋に入る。


マナは、ナナセにはミズキを任せられると安心している半面、宇野マサヤを警察に突き出すべきか、見逃すべきなのか、考えていた。

いや。マナには迷いなどない。

宇野マサヤを警察に出向かせ、罪に見合った法の裁きを受けさせるべきだと考えている。

“でも、ミズキちゃんはきっと違うよね……”

ミズキは超がつくほど穏便な性格で、「自分がどうしたいか」より、まず周りの人々のことを考える優しい子だから……。

アイリがマサヤを庇(かば)ったことで、ミズキの気持ちは揺れているに違いない。

シュンやアケミ、ミズキに比べ、マナは人の気持ちを察するのが苦手な方だが、ミズキの思考なら見通せるつもりだ。

ミズキとは、それだけ深く付き合ってきたのだから……。