マナにも二歳年下のカズという弟がいる。
リョウも姉思いの弟だったが、カズもまた、マナのためにいろいろしてくれた。
今は順調に仲良く付き合っているマナとシュンにも、別れの危機がたくさんあった。
カズは、そんな二人を良い方向に導こうと陰で動いてくれたり、マナがシュンと向き合えるように注意したり応援をしてくれていたのだ。
「私は心が狭いから、もしカズが誰かに傷つけられて死を選んでしまったら、カズを傷つけた相手を一生許せないと思う」
そう言いマサヤを見下ろすと、マナは続けた。
「ミズキちゃんは寛大だよ。
普通、花瓶投げるだけじゃ済まない。
ミズキちゃんは優しいから」
ミズキを愛おしむようにマナは目を細め、その後、初対面のアイリの顔を見る。
アイリは、マナの気迫や無表情にドキリと心臓が冷えた。
「これからミズキちゃんのこと追いかける……。
この男をどうするかは、ミズキちゃんの気持ち次第だから。
私はこのままなんて納得いかないけど……」
マナはアイリの瞳をジッと見つめたが逸(そ)らされてしまったので、
「いこ。ミズキちゃんが心配だよ」
と、ナナセとシュンに呼びかけた。


