“リョウ……。
どうして、何も話してくれなかったの……?”
こんなに悲しくて、
いくら涙を流しても、
もうあの時は戻らない。
助けたかった。
生きていてほしかった。
“私は、なんて汚い生き物なんだろう”
いつだったか、メイに言われた「偽善者」という言葉を思い出す。
“私、そうなのかな……”
リョウのことが大切だったと言いながら、一番大切にしていたのは自分の心だったのかもしれない。
穂積メイを救いたいと言いながら、本当に救いたかったのは、リョウを助けることができなかった過去の自分なのかもしれない。
ナナセの声を拒否し、友達の親切をはねつけた。
そんな自分の行動を、ミズキは身勝手に感じた。
人の心を助ける職に就くため心理学の勉強をしていることですら、汚いことのように思う。


