しゃぼん玉


マサヤの家を飛び出したミズキは、そのまま駅の方に向かって歩を進めた。

家に帰る気にもなれず、

親の顔を見るのもつらく、

リョウの墓に行くのもこわい。


駅に近づくにつれて、仕事帰りのOLやサラリーマン、高校生の姿が増えてくる。

“みんな、遠い世界の人みたいだね……”


夜空の下に広がるネオンや人の往来を見つめていると、ミズキは、自分一人だけこの世から隔絶(かくぜつ)されているような気持ちになった。


元カレ·ヒデトと別れた時、もう二度と、同じ間違いはしないと決めていた。

リョウのことで傷つき、怒り、悔しがるといったマイナス感情を、決して八つ当たりという形で外には出すまい、と……。

ナナセとは、必ず幸せになるつもりだった。


――高校卒業も間近に迫っていた頃、ナナセを好きになっていたミズキは、ヒデトにやり直したいと告げられ、キッパリ断った。

だからこそよけいに、ナナセとの恋は大切にしたいと思っていた。