しゃぼん玉


とことん肝(きも)の座ったマサヤに、一同はため息をついた。

そんな寒々しい雰囲気の中、ナナセはミズキの肩をそっと抱きしめた状態でこう言った。

「マサヤ君、ひとりっ子なんだってね。

アイリちゃんに聞いたよ。

俺も、そうなんだ」

「あ……?」

マサヤはその目に殺意を込めてナナセを見やったが、ナナセは臆(おく)さず続ける。

「勘違いさせちゃってごめんね。

でも俺は、アイリちゃんとは何の関係もないよ。

マサヤ君が思ってるような仲じゃないから……。


ただ、アイリちゃんがマサヤ君のことを大切に思ってることだけは知ってた。

アイリちゃん、ジムではいつも、マサヤ君の話をしてたから」

「……」

マサヤをはじめ、みんながナナセの話に耳を傾ける。

ミズキも、背中にナナセのあたたかさを感じつつ、意識を耳に集中させた。