しゃぼん玉


「お前……!

だからって、もっと他のやり方はなかったのかよ!!」

シュンがマサヤの肩をつかみ、今にも殴りかかりそうな勢いで彼をソファーの背もたれに押し付けた。

マナも立ち上がり、

「もう我慢できない!

あんた何様のつもり? 調子に乗ってんのはあんたでしょ?

ミズキちゃんが下手(したて)に出てるからって、付け上がるのもたいがいにしなよ!


あんたにはミズキちゃんの気持ちが分かんないの!?

大切な弟があんな目にあって、どんなに悔しかったか!

どんなに苦しかったか!


謝ったって許せないのに、謝るどころか開き直るだなんて!!

最低だよ!!」

ナナセは、指先で涙を拭っているミズキの背中をさすり、

「それがマサヤ君の本心なの?

……本当に、それが正しいやり方だって思ってる?」

マサヤはシュンの腕をうっとうしそうに振り払い、

「わかんねーよ。

星崎の気持ちなんて。

俺には兄弟なんていねーし」

どんな思いが込められているのか読み取れないほど、それは無感情な声音だった。