ナナセは、目の表情だけでミズキに訴えた。
“今は、アイリちゃんのことには触れない方がいいかもしれない”
“そうだね……。
リョウの話をしよう”
ナナセの思いを感じ取ったミズキは、再びマサヤの正面に座り直した。
ナナセとマナも、その両隣に行く。
シュンは、マサヤが逃げないように厳しく監視した。
「気分悪くさせてごめんね」
ナナセは、うつむいているマサヤの目を見てひとまず謝り、
「ミズキちゃんとマサヤ君は、同じ中学だったんだよね。
マサヤ君達の一学年下に、ミズキちゃんの弟の星崎リョウ君ていう子がいたんだけど、その子のこと知ってる……よね?」
皆、マサヤの顔を食い入るように見つめた。
少しの情報も見逃さないために……。
ミズキの心臓の音は、周りに響いていそうなくらいに大きく鳴っていた。
しかし、マサヤの反応はあっさりした物だった。
「さあ。そんなヤツ知らねー。
学年違うヤツとは絡んだことねーし」


