「チッ……。人のケータイ勝手に見やがって……」
アイリの行動に納得がいかず、マサヤは舌打ちをして小さくそうつぶやいた。
その場の誰もがそれに意見しようと口を開きかけた中、一番に言葉を発したのはミズキだった。
“私は今日、リョウの話がしたくてここに来たから、アイリちゃんと宇野君の付き合いには口を出さないつもりだったけど……!
こんなの、あまりにもアイリちゃんがかわいそうだよ……”
ジムで泣いていたアイリの顔や、苦しげに話す姿が浮かんだ。
「アイリちゃんは、不安だったんだよ……。
宇野君に浮気されてるんじゃないか、ちゃんと好かれていないんじゃないか、って……。
たしかに、人のケータイを勝手に見るのは良くないと思う。
でも、宇野君はアイリちゃんの話も聞いてあげるべきだったんじゃないかな?」
部屋が水を打ったように静まり、ミズキは口をつぐんだ。
マサヤはやはり黙りこくって、何も話そうとはしない。
眉間にシワを寄せて固く腕組みをしながら、片足を小刻みにゆすり続けている。
皆、マサヤの言葉を待つべく、しばらく黙っていたが……。
ミズキの言ったことが図星だから、マサヤは気まずく思っているのだろうか。
それとも、反発心を無言で表現しているのだろうか……。
マサヤの気持ちが見えない。


