リクは、預かった合鍵でメイの自宅に施錠し、そこから一番近い大型ドラッグストアに走った。
ヤケドには何が効くのか全く分からなかったが、手当たり次第に、良さそうな物を買った。
そして、メイの待つ穂積家へ戻った。
メイはさきほどと同じ場所で、頭を前方にダタンとたらしている。
リクは何も言わずに患部の消毒をし、ガーゼを当て、彼女の肌に包帯を巻いていった。
ずっとこわばっていたメイの顔も、少しずつほぐれていく。
手当てを終えたリクは、薬局で買ったペットボトルの水をメイに渡した。
「おばさんと、何があった?」
「いつものことだよ……」
メイは無表情で力なくそう言った。


