アイリはすぐさま、ミズキの電話に出た。
彼女はミズキ達の状況を理解してくれ、自分も今からマサヤの家に向かうと言ってくれた。
アイリはマサヤに対する感情をひとつにまとめることが出来ないままだったが、自分なりにミズキの立場や気持ちを考えた上で、こう言った。
『ミズキちゃん……。マサヤに言いたいことがあるのは分かるけど、気をつけて。
マサヤは時々、イライラすると見境なく物に当たることがあるの。
私も前にケンカした時、ゴミ箱を投げつけられたことがあって……。
だからミズキちゃんも、あまりマサヤを刺激するようなことは言わない方がいいよ』
アイリは、預かりっぱなしになっているマサヤの携帯電話を持って、ミズキ達のいる宇野宅へ向かった。
ミズキは意思を固めて、宇野家のインターホンを押す。
アイリが言っていた通り、マサヤを刺激するのは危険かもしれない。
けれど、今この胸にある怒りは簡単に鎮(しず)まってはくれない。
ナナセ、マナ、シュンの存在を肌で感じたミズキ。
独(ひと)りでリョウの死を受け止めたあの頃に比べ、心が強くなった気がする。
みんなのおかげだ。
“私はもう、独りじゃない……!”


