しゃぼん玉



ミズキ達は宇野マサヤの自宅に着いた。

グレイの外壁をした、三階建の一軒家。

一番上の階の窓からはカーテン越しの光が漏れており、星の少ない夜空をさらに白っぽく見せている。


「マサヤ君、いるみたいだね……」

ナナセは声のトーンを抑え気味に、つぶやいた。

「宇野くん……」

ミズキの足はすくむ。

マサヤに言いたいことは山ほどあるはずなのに、ここへ来て気持ちの乱れが生じ、言いたいことを整理できなかった。

初めてメイに出会った時とは比べものにならないほどの怒りが、ミズキの呼吸器官を圧迫する。

リョウを追い詰め、自殺までさせた残虐非道な男子生徒を前に、ミズキは冷静さを保つ自信を失う。

“宇野君はアイリちゃんの彼氏なのに……”

「私、宇野君に嫌なこと言うかもしれない。

穂積さんの時には、こんな気持ちにならなかったのに……」

ミズキは言い、両手をにぎりしめる。