ミズキは、ナナセと一緒にテスト勉強をした時のことを思い出し、言った。
「大丈夫だよ、ナナセ君。
何でもみんな、最初は初心者なんだから。
ナナセ君の勉強の教え方、とってもわかりやすいもん。
きっと、リク君にもそう思ってもらえるよ。
自信を持って、失敗を恐れないで」
そして、柔らかい手つきでナナセの二の腕に触れ、ゆらゆら揺れているナナセの瞳を覗き込む。
ミズキの優しく澄んだ瞳に出会い、ナナセの胸はじんわり熱を持った。
ついさっきまであった不安が、ミズキの愛情で拭い取られてゆくのを感じる。
ミズキの言葉には無理がなく、それらはいつも、ナナセの弱さを支えてくれた。
ナナセは、照れつつもミズキの顔を見つめ返し、
「ミズキちゃん、ありがとう。
そうだよね。失敗を恐がってたら、何もできないよね。
俺なりに、頑張ってみるよ」
“いきなりうまくはできないかもしれないけど、できることからやっていこう……!”
これも、自分を成長させるための試練なのだ、と、ナナセは自分に言い聞かせたのだった。


